焼き芋って美味しいですよね…。冬に食べがちですが、いつ食べてもおいしいのが焼き芋のポテンシャル!スイーツとしても注目が集まっていますよね。そんななか、放置状態の旧ブログ「グルメコぱんだ日記」のなかで唯一といっても過言ではないアクセスを稼いでいたのが、この焼き芋について書いたこの記事でした。

ただ、この記事を書いたのもの数年前。グルメコぱんだ的な焼き芋の作り方としてピックアップして内容をアップデートしたいと思います。

作り方は前と同じだけど、もう少し詳細に作り方を書くよ!
激甘な焼き芋がもてはやされがちだけど、適度な甘みと適度なホクホク、しっとりを目指してます。
焼き芋の甘さのしくみ
焼き芋の作り方の前に…おいしい焼き芋をつくるにあたっての事前知識です。
焼き芋を作る過程においてどうやったらサツマイモが甘くなってくれるのか。そのポイントは「温度」。
焼き芋が甘く感じるのはサツマイモに含まれるデンプンから作られた「麦芽糖」という糖分の甘さになります(焼き芋から出てくる蜜のことです)。焼き芋を甘くしたいときには、この麦芽糖が多くなるように調理していく必要があります。
麦芽糖を作り出すのはサツマイモに含まれるβーアルミラーゼという消化酵素の役割なのですが、生のサツマイモのデンプンではβーアルミラーゼがうまく働きません。そこで必要なしくみが「糊化(α化)」です。糊化することでサツマイモのデンプンからβーアルミラーゼがどんどん麦芽糖を作り出せるようになります。
そのサツマイモのデンプンを糊化するためには、①温度を65〜80℃にすることと言われています。
また、同様に大切なこととしてβーアルミラーゼの働きも温度に関係してきます。②βーアルミラーゼは70℃前後で働きが活性化し、80℃を超えると働きが低下すると言われています。
①②から、焼き芋としてサツマイモの甘さを引き出すには加熱しながらいかに65〜80℃をキープするかにかかってくるということになります。



この知識をもとにして自分がどういう焼き芋を作りたいかを思い浮かべるといいと思うわ。
準備するもの
…といっても、必要なのはサツマイモと鍋です。
サツマイモ
焼き芋に使うサツマイモはしっとり、ホクホクな以下の3つをよく使っています。
- べにはるか(紅はるか):しっとり系
- シルクスイート:しっとり系
- ベニアズマ(紅あずま):ホクホク系



これは個人的な好みです。
ネットリが好みな方は、安納芋、べにはるかあたりをじーっくり焼くと良いと思います。
ただし、しっとり系やホクホク系と書きましたが、最終的にはサツマイモとの一期一会です。べにはるかでもしっとり仕上がることもあれば、ネットリ仕上がったり、はたまたホクホクに仕上がることもあります。サツマイモとの出会いを楽しみましょう笑。
鍋
鍋も数年前からずっと下記のパール金属のいろりやホーロー焼き芋鍋を使っています。


この鍋は蒸し焼きなので、いわゆる遠赤外線がウンタラカンタラ…、みたいな話はありません。また、先ほど焼き芋を甘くしたいのであれば「65〜80℃をキープするんやでー!」と声高に叫んでますが、ぶっちゃけこの鍋で65〜80℃をキープしているとは思ってないです…笑。
ただ、それでもこの鍋を使い続ける理由…それが最初にグルメコぱんだとして目指す先が適度な甘みとホクホク、しっとりだからです。ネットリ系を目指すなら別の鍋のほうがよいかなとは思います。


- しっとり、またはホクホクな焼き芋を作りやすい
- 焼き芋に限らず、色んな野菜の蒸し焼きが楽しめる
- メンテナンスが楽
→ 別途石を入れる必要もないので、鍋を洗えば終わりです。 - 1kgと軽い
→ 焼き芋用の鍋は重いものが多いです - 22cmあるので複数本を一気に焼ける
- 意外と長く使える
→ 本記事記載時点で6年の実績!多少汚れはついてますが、まだまだ使い続けられます。
- ネットリした焼き芋までは作りづらい
- ガス火専用
→ IHには対応していません。
あと…公式にはSiセンサー(過熱防止)がついたコンロでは途中消化するため使えないとなっています。が、「高温炒め」など温度の上限を上げておけば、ウチのコンロはSiセンサーだと使えているので、そこまでシビアに考えなくともよいかと思います。
焼き芋のつくり方
さぁ、それでは焼き芋を作りに参りましょう。目指すは適度な甘さと、しっとりです。
今回使ったのは「紅こがね」
今回つかったのは「紅こがね」というサツマイモです。品種的にはベニアズマですが、品質が良いものを選抜した茨城県産ブランド芋でJAなめかたからのみ出荷されているようです。



遠路はるばる茨城まで行って買ってきました!…と言いたいところですが、購入は近所のスーパーです。
最近はスーパーでもいろんな品種やブランドのサツマイモが売っているので、チェックすると良いですよ。
なお、サツマイモは大きいものは本当に大きいので、使う調理器具に合うサイズのものを買ってください。いろんなサイズでこれまで焼き芋を作りましたが、手のひらより少し大きいサイズかつ樽型の適度な太さが一番作りやすかったです。


調理工程(約60分)
調理工程といってもサツマイモを洗って焼くだけですが、火加減や焼く時間を参考にしてください。


サツマイモを水で洗って、表面の土などを落としてください。タワシなどは使わず手で洗うくらいで大丈夫です。そしたら鍋に入れ、フタをするだけ。サツマイモはアルミホイルに包まなくてOKです。
また、サツマイモが鍋に入らなければ先っぽを切って入れてください。


火加減のポイントとしては火の先が鍋につくかつかないか、の中火〜弱火の間です(写真の通り)。じっくり約30分サツマイモの片面を焼いていきます。
このときにSiセンサー付きのコンロの場合は「高温炒め」などでセンサー温度の上限を上げておいてください。(うちのコンロだと30分経つ頃にちょうど火が自動消火するので、自動消火を目安にしてます)
約30分焼くとこんな感じになります。


ひっくり返すとこんな感じ。皮は焦げてしまいますが中はいい感じ。


その後はまた同様にフタをして、中火〜弱火の間くらいの火加減で約30分焼きます。


サツマイモの表裏あわせて約60分焼けばできあがり。
焼き上がり
焼き上がったらあとは食べるだけ!中はこんな感じです。






なかはしっとり、程よい甘さの焼き芋でした。食べだしたら止まりません。



やめられない。とまらない。
保存方法
焼き芋を作ったあとに食べなかった焼き芋はサランラップやジップロックで「冷凍保存」がおすすめです。食べるときは電子レンジで温めて解凍すればよいだけ。おいしい焼き芋がすぐ食べられます。ストックしておけば、子どものおやつや朝ごはんなど便利ですよ。
さいごに
本記事はしっとり・ホクホクを目指したグルメコぱんだ的な焼き芋のつくり方となります。まとめると2つ。
- いろりやホーロー鍋を使う
- 中火〜弱火で両面約60分焼く
これだけです。お鍋は必要になってしまいますが、調理方法も簡単なのでしっとり/ホクホク焼き芋好きは一度ためしてみてください。みなさまも焼き芋の目指す方向を決め、いろんな方法を試してみてくださいね。



記事を書いていたら、焼き芋が食べたくなってしまいました…。
笹で我慢します。